ADR
行政書士の比較的新しい業務の中に、ADRの調停手続きにおける調停人としての仕事があります。ADRとは、裁判外紛争解決手続と言い、裁判所の訴訟手続きによらずに民事上の紛争を解決を図る手続きのことです。Alternative Dispute Resolution の頭文字をとって、ADRと呼ばれます。
行政書士会が開設するADRセンターにおいて行う手続きは、調停手続きです。調停手続は、中立で公正な調停人が当事者の間に入り、双方の言い分を十分に聴いた上で、お互いに納得できる解決策を一緒に考え、問題の解決に必要となる合意を形成する手続です。裁判のように法律を適用して紛争の解決を図るのではなく、当事者の対話を促進し、実情に応じた解決を図ることに力点が置かれます。裁判や仲裁は、第三者の判断によって紛争を解決するものです。これに対して調停は、当事者の直接の話し合いと、当事者自身が納得の行く合意により、紛争解決を図るのが特徴です。当事者が主体となって紛争を解決できるのが、調停の最大の特徴と言えます。
行政書士のADRセンターで取り扱うトラブルは、現在、4分野に限定されており、調停人となるためには、専門分野ごとに所定の研修・トレーニングを積まなくてはなりません。